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ここでは、専門家の方や、詳しい情報をお求めの方のために、様々な情報を発信していく予定です。まだ整理ができていませんので、当面は今までHPで公開していた情報を提供いたします。

摂食障害(拒食症)の理解と治療


1.拒食症(神経性食欲不振症)とは
2.摂食障害(拒食症)にいたる心理
3.摂食障害(拒食症)の治療
4.学校ですべきこと、できること
5.医療機関と受診


1.拒食症(神経性食欲不振症)とは


拒食症患者は増加している


拒食症は心理的な原因で食事量が減って異常にやせる病気で、医学的には神経性食欲不振症と呼ばれます。欧米先進国では1970 年代から、日本でも1980年代から患者数が増加しています。患者さんの95%は思春期・青年期の女性ですが、最近、男性例も増加しています。地域の中学・高校生を対象に自己記入方法による調査では有病率は0.4〜1%といわれています。平均発症年齢は 17歳ですが、最近は10歳以下での発症があり、発症年齢は低年齢化しています。

中枢性摂食異常症の病型

過食
正常体重 神経性大食症   
(Bulimia nervosa) 
20歳代女性の2〜3%
非浄化型(BNNP)
浄化型(BNP)
絶食、嘔吐、下剤や利尿剤乱用
やせ
無月経 神経性食欲不振症  
(Anorexia nervosa)
女子高校生・大学生の0.4〜1%
制限型
むちゃ食い/排出型(ANBP)
過食、嘔吐、下剤や利尿剤乱用


 
ダイエットは原因ではない


拒食症は、「スタイルを良くする目的で過激なダイエットをした結果」で、「食べれば治る」と勘違いされていないでしょうか?確かに50%の患者さんは発病のきっかけは自ら始めたダイエットです。しかし、健康人では、どんな過激なダイエットをしたとしても、健康体重以下に体重が減ると自己防衛反応としての異常な食欲が湧いて体重は回復します。
拒食症では、体重は*標準体重の80%以下に減少します。この異常に成功したダイエットは原因ではなく症状です。
50%の患者さんは知らず知らずに、あるいは、感冒や大腸炎などのあとから食欲不振になり、ダイエットなど考えていなかったのです。

拒食症の診断
 ・ 標準体重の-20%以上のやせが3カ月以上
 ・ 食行動の異常
 ・ 発症年齢:30歳以下
 ・ 無月経
 ・ 体重や体型についてのゆがんだ認識
 ・ やせの原因と考えられる病気がない
 ・ 病型は制限型とむちゃ食い/排出型

*標準体重の算出法
15歳以上の標準体重の算出 平田法
身長 標準体重
160 cm〜    (身長-100)x 0.9 kg
150〜160 cm  (身長-150)x0.4 + 50 kg
〜150 cm    身長-100 kg

 
15歳未満の標準体重の算出方法
身長ごとの−20%のやせの体重表 (大関ら 1995)
     

1位
10位 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9cm
9 10.4kg 10.6 10.8 11.0 11.2 11.4 11.7 11.9 12.0 12.2
10 12.4 12.7 12.9 13.1 13.4 13.6 14.0 14.1 14.3 14.7
11 15.0 15.1 15.3 15.6 15.9 16.2 16.5 16.9 17.2 17.5
12 17.8 18.1 18.5 18.9 19.2 19.5 19.8 20.2 20.6 21.1
13 21.6 22.0 22.5 23.0 23.4 23.9 24.4 25.0 25.4 26.0
14 26.5 27.0 27.6 28.3 28.8 29.6 30.3 31.0 31.9 32.7
15 33.5 34.2 35.0 35.8 36.7 37.6 38.4 39.4 40.1 40.9
16cm 41.8 42.7 43.5 44.5 45.5 46.3 47.2


 
拒食症の「やせたい、でも食べたい」症状


拒食症の「食べられない」には、身内の不幸などの心理的なショックによる一時的な食欲不振と異なって、いくつかの病的な特徴があります。やせることと食べることへの病的なとらわれです。体に危険が生じるほどがりがりにやせても、まだ太っているように感じ(身体像の障害)、体重が増えることに対して説明できない強い不安や恐怖がわいてきます(肥満恐怖)。そのため、極端なカロリー制限をしたり、野菜、こんにゃく、きのこを大量に食べたり、過激な運動をして痩せを維持するための最大限の努力をします。やせに不釣合いなくらいに活動的です。この点で慢性消耗疾患と異なります。
しかし、身体は異常な飢餓状態に陥ります。
飢餓が人間の心理状態や行動を変化させることは、健康人の飢餓実験で明らかにされています。心身とも健康な男性兵に24週間の摂取エネルギーの制限を行った研究では、神経性食欲不振症に酷似した心理・行動異常が認められ、終了後に異常な過食が起こり、精神疾患の発症も認められました。飢餓の反動で食べ物のことばかり考えてしまい、行動も生活すべて食に執着して振り回されることになります。たとえば、料理雑誌を食い入るように見たり、自分は食べないのに調理して家族に強制的に食べさせたり、何も買わないのに、おいしくて、しかも太らない食品を物色してデパートの地下の食品売り場をうろついたりします。
50%の患者さんでは食欲に負けて過食をするようになり、やせを維持するために自己嘔吐や下剤の乱用をするようになります。飢餓は気分や精神状態をも変化させます。気分が不安定になり、笑わなくなり、異常な不安、不眠、強迫性と呼ばれるこだわり(時間厳守、予定以外の出来事にパニックを起す)が強くなります。人柄も変化し、物事の捉え方も偏ります。さらに、集中力、判断力も低下し、落ちついて本も読めないと訴えます。自己評価も低くなり、自信がなく、引きこもることもあります。

 

医療機関への受診は遅れがち


最も特徴的なのは、本人に病気の意識がないことです。やせを治されたくないので、やせていることを認めず、周囲のアドバイスを聞き入れません。自分から医療機関を受診することはありません。やせ、疲れ、空腹についても自分では意識できない、または否定したい気持ちになります(病気の否認)。本人は冷静な時には異常だと思いますがやめられない病気なのです。家族は「そのうち自分で気づくだろう」と腫れ物にさわるようにしています。しかし、本人は肥満恐怖と飢餓による困った症状に振り回され、なかなか病気から抜け出せなくなり、心身に悪影響を与えるばかりか、生活すべてがうまくいかなくなります。体にもさまざまな合併症が生じます。


 

拒食症の合併症と後遺症


女性では女性ホルモンが低下して無月経になり、男性でも男性ホルモンは低下してインポテンツになります。
血圧は90mmHg以下と低くなり、脈拍数も60回/分以下に減少して、体温も36度以下になり、ひどい冷え性になります。つまり、エネルギー不足のために身体は省エネ体制になります。
うぶ毛が増え、顔、手足の平が黄色くなり(カロチン症)、便秘、むくみなどが起こります。
血液検査では、肝機能障害、白血球減少、貧血、コレステロール異常、電解質異常(低ナトリウム、低カリウム血症)が見られます。
これらは体が回復すればすべて改善します。
ただし、次の場合は生命に関わる危険があるので入院治療が必要です。
低血糖で意識がなくなる(低血糖性昏睡)
脱水で腎臓の働きが悪くなる(腎不全)
電解質異常(嘔吐や下剤の乱用による低カリウム血症が不整脈をおこす)
低栄養による免疫機能低下による結核の合併もあります。
拒食症が治癒しても、低身長、骨粗鬆症、歯の後遺症が残ることがあります。
身長のスパート期(9〜14歳)に発病して長期間に低栄養があると本来の身長より低くなります。
拒食症患者の50%では腰椎の骨カルシウム量(骨密度)が減少しており、なかには80歳女性の平均より低下している場合もあります。一旦低下した骨密度の回復は遅く、正常まで回復しないことがあり、将来の骨折の原因になります。
また、歯や歯肉の障害で総入れ歯になることもあります。

2.摂食障害(拒食症)にいたる心理


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