ASEAN共同体と東南アジア

ASEAN共同体と東南アジア

白石 隆(政策研究大学院大学学長)

 

2015年末、ASEAN共同体が発足した。これは経済共同体、安全保障共同体、社会文化共同体からなる。しかし、安全保障共同体構築については南シナ海における行動規範策定以上の合意形成は難しい。社会文化共同体についてもリップ・サービス以上の関心と資源投入は期待できない。一方、ASEAN経済共同体(AEC)については実質的進展が見られる。では、AECの経済統合の現状と展望はどんなものか。また、ASEAN共同体は、東南アジア諸国にとって、地政学的、政治経済的にどんな意義をもちそうか。

 

ASEAN共同体の現状

まず、AECから検討しよう。

経済統合は一般に(1)域内関税を撤廃する貿易自由化、(2)域外共通関税を導入する関税同盟、(3)労働力、資本などの生産要素の自由な移動を認め、域内通貨を導入する共同市場とその水準が上がっていくものとされる。AECは2015年までの工程表で「単一市場と生産基地」「競争力のある経済地域」「公正な経済発展」「グローバル経済への統合」の4つの目標を掲げている。また「単一市場と生産基地」については、モノ、サービス、投資、資本、技能労働者の自由な移動等について工程表を示している。モノの移動の自由化では、域内関税の撤廃が進んでいる。ASEAN物品貿易協定(ATIGA)の関税撤廃スケジュールに則って、ASEAN6カ国(ブルネイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ)の域内関税撤廃率(品目ベース)はすでに99・2%に達した。また、ASEAN4カ国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)の域内関税撤廃率も90・9%、2018年までに未加工農畜産品などを除く品目の関税撤廃をめざしている。AECの貿易自由化率は、他の一般的な自由貿易地域のそれと比較して、水準の高いものとなっている。

一方、モノの貿易においても、非関税障壁の撤廃はほとんど進んでいない。人の移動の自由化についても、資格認証制度の標準化等はほとんど実現していない。資本の自由な移動では、ASEAN企業の「内国民待遇」をめざすとするが、各国の小売り、卸売り、運輸といったサービス分野への参入には多くの規制がある。このように、AECは労働力、資本などの生産要素の自由な移動を認める共同市場としてはきわめて不完全である。ASEAN経済大臣会合は2015年2月の共同宣言で、2015年のAEC発足は「マイルストーン(通過点)」で「ASEANが単一の経済的実体となることを意味しない」と述べているが、まさにその通りである。

では、AECのねらいはなにか。ASEAN諸国の経済は外国企業の投資と生産と輸出の拡大によって成長してきた。2001年の中国のWTO(世界貿易機構)加盟以来、ASEAN製品は輸出市場で中国製品と競合し、直接投資も中国への集中が続いた。2000−14年の中国、インド、ASEANの輸出額の伸びはそれぞれ9・4、7・6、3・0倍で、ASEANは伸び悩んだ。ASEAN経済のさらなる成長には、モノの貿易の自由化に加え、サービス、投資、資本、技能労働者の自由な移動を促し、生産基地としてのASEANの魅力を増すほかない。ASEANが2020年までに物品、サービス、投資、熟練労働力の自由な移動を実現し経済共同体を構築するとしたのはこのためである。つまり、ASEANの国々が市場、情報、資本、技術などの経営資源を合わせて「規模の経済」を実現すること、その結果、外国企業もASEAN域内に本社機能をもつ法人を設立すればASEAN企業として域内で自由に販売店、製造拠点等を設置できるようにすること、それが大きなねらいだった。(池部、2014:5)

その意味で、AECは、EU(欧州連合)はもちろん、かつてのEEC(欧州経済共同体)、EC(欧州共同体)とも、違うプロジェクトだった。EUは、ヨーロッパ主義を基礎に、EEC、EC、EUと統合の水準を段階的に上げ、主権国家を超える政治体(polity)をつくるプロジェクトとなった。このプロジェクトをこれからも推進するのかがいま問われている。しかし、ASEAN共同体形成はそもそもそういうプロジェクトではない。ASEANの国々ではいまでもナショナリズムが大きな力である。参加国がASEANに期待するのは、一国ではなかなか達成できない目的達成のためにASEANが「てこ(leverage)」となることである。AECが「規模の経済」をめざすのはこのためである。[i]

こうして見れば、ASEAN共同体設立において、各国がまず考えるのは、それが自国にどのような利益をもたらすか、「てこ」としてどれほど有用かであって、共同体構築のために自国の行動の自由、利益を犠牲にすることでないのは明らかだろう。では、東南アジア諸国はいま、どのような課題に直面しているのか。また、そうした課題に対処する上で、ASEAN共同体はどれほど有用なのか。

 

地政学的課題

21世紀に入り、富と力の分布が世界的にも地域的にも急速に変化していることはよく知られている。ここでは、21世紀に入り、アジア太平洋でパワー・シフトがおこったことだけ確認しておきたい。1990年には中国、韓国、ASEAN、インド、すべて合わせて、その経済規模は日本の半分以下だった。日本はアジア太平洋のガリバーだった。しかし、2010年には中国の経済規模が日本を凌駕し、2020年には中国経済は日本、韓国、ASEAN、インドをすべて合わせた以上の規模になると予測される。つまり、中国が日本に代わってインド・太平洋のガリバーとなる。では、これにいかに対応するか。それが地政学的に大きな課題となっている。[ii]

アメリカは「リバランシング」によってこれに対応している。これは2011年、オバマ大統領がオーストラリア議会における演説で述べた通り、(1)アメリカは太平洋国家である、(2)アメリカはアジア太平洋における軍事的プレゼンスを維持する、(3)アメリカは日本、オーストラリア、韓国などの同盟国、フィリピン、インドネシア、シンガポール、インドなどのパートナー国と連携し、ASEANに関与し、政治的連携を強化する、(4)その上に自由で公正でオープンで透明度の高い国際経済システムを構築する、TPP(環太平洋自由貿易協定)はそのモデルになる、この4点を骨子とする。日本もこれに呼応している。これは、日米同盟の強化、アメリカを中心とするハブとスポークの地域的安全保障システムのネットワーク化、TPP参加に見る通りである。

こうしたアメリカと日本の動きは、中国からは、中国「包囲網」構築の動きと見える。中国はこれに「一帯一路」と「海洋大国」で対抗しようとする。中国にとって最大の対外政策手段は貿易拡大、インフラ建設等の経済協力である。周辺諸国との経済関係を経済協力で強化し、中国「包囲網」を打ち破る、それが「一帯一路」のねらいである。同時に、中国は、南シナ海で力の行使によって実効支配の既成事実を積み上げ、長期的にこれを「中国の海」とするとともに、東シナ海、南シナ海からマラッカ海峡を経由し、インド洋、中東に至るシーレーン防衛能力を構築しようとしている。日本のインフラ輸出は、中国から見れば、こうした中国の戦略に正面から挑戦するものである。

アジアではこうしてアメリカ、日本と中国の競合が激化している。では、これにいかに対応し、みずからの安全保障を確保するか。これがASEANのすべての国の課題である。

 

「増大する期待の革命」と経済成長

もう一つの課題は生活水準向上への国民の期待にいかに応えるかである。1990−2014年の25年間に、一人当たり実質国内所得(現地通貨建て)は、ベトナムで4倍以上、マレーシア、インドネシア、タイで2倍以上、上昇した。フィリピンも一人当たり実質国民所得(GNI)で見れば2倍以上の伸びとなっている。これは、別言すれば、一世代で所得水準が劇的に向上したということで、したがって、これらの国の人たちは、自分たちの生活はこれからも良くなる、自分たちのこどもの生活は自分たちの生活よりもずっと良くなると期待している。こうした「増大する期待の革命」に応えるには、これからも経済を成長させ、同時に、再分配政策によって所得格差、地域格差、都市と農村の格差などに対処するほかない。問題はそれができるかである。

ASEANの国々には、経済規模(GDP)、一人当たり国内所得、いずれにおいても大きな格差がある。このためAECはASEAN各国にプラスとマイナス、両方の効果をもつ。一人当たり国内所得の格差は生産要素によってASEAN各国の比較優位に大きな違いのあることを示している。1980年代半ば以降、日本企業もふくめ、多くの企業が、情報技術革命と貿易自由化の進む中、生産ネットワークを地域的に展開するようになった。その際、企業としては、生産工程を細分化し、労賃の安いところではそれに適した「しごと」(たとえば組み立て)をする、製品開発は優秀な技術者を集めやすいところで行うといったかたちで、各国の比較優位に応じた拠点を構築した。その結果、生産ネットワークは国境を超えて展開し、AECの基礎となる事実上の経済統合が進展した。AECで「単一市場と生産基地」の実現が目的とされるのはこのためである。

しかし、経済統合にはマイナスもある。たとえば、カンボジア、ラオス、ミャンマーにとって、サービスの自由化は、小売り、輸送、金融、保険などの分野で、高度のノウハウと資金力、情報をもつ外国企業によって自国市場が席巻されてしまうリスクをもつ。また、加工食品、日用品など軽工業品の流入も自国の工業振興を阻む可能性が大きい。さらに、生産要素の比較優位の違いに応じて、国境を超えた産業配置、工程間分業が生まれると、これが産業発展の格差をさらに拡大し、固定化するリスクもある。

もう一つの懸念は中国である。中国は東南アジアすべての国にとってきわめて重要な貿易パートナーとなっている。その結果、中国の経済成長が減速し、中国向け輸出が落ち込むと、それが直ちにこれらの国々の経済成長の減速に繋がる。また、中国企業が過剰生産能力のはけ口を輸出に求めれば、これらの国々の製造業部門は中国企業・製品との厳しい競争に晒される。その衝撃度は国によって違う。しかし、中国経済の減速する中、生活水準向上への国民の期待に応えることはますます難しくなる可能性が高い。

 

各国の対応

では、東南アジア諸国はこうした地政学的、政治経済的課題にいかに対応しようとしているのか。これは大陸部と島嶼部で違う。

大陸部東南アジアのベトナム、ラオス、カンボジア、タイ、ミャンマーの五カ国は中国とバングラデシュ、インドの中間に位置し、しだいに中国「周辺」となりつつある。また、これらの国々はすべて権威主義体制で、中国としても、それなりに居心地の良い政治体制の国である。

この地域の地政学的、政治経済的条件は二つの要因に大きく規定されている。その一つは、中国と南シナ海において領土紛争を抱えているかどうか、アメリカを中心とする地域的安全保障システムを与件として自国の安全保障政策を構築できるかどうかである。ベトナムを別として、ラオス、カンボジア、タイ、ミャンマーは中国と領土紛争をもたない。タイはアメリカの同盟国でもある。

もう一つは広域の国境を超えたインフラ整備である。この地域では、中国が南北、日本が東西に、高速道路ほかの広域インフラを整備している。その結果、国境を超えた生産ネットワークは「タイ+1」のかたちでバンコクから周辺諸国に広がり、大陸部の国々は広域インフラの整備を与件として経済発展戦略を構想しなければならない。

では、島嶼部はどうか。島嶼部東南アジアは、東は日本と台湾、西はインド、南はオーストラリアとともに、インド・太平洋の「背骨」をなしている。この地域の国々としては、フィリピン、マレーシア、ブルネイが中国と南シナ海で領有権問題を抱え、インドネシアも排他的経済水域で中国と対立している。フィリピンはアメリカの同盟国であり、シンガポール、マレーシア、インドネシアも、パートナー国として、アメリカのリバランスに呼応しつつある。また、島嶼部の国々にとっては、大陸部と違い、国境を超えた広域インフラは経済発展戦略上、それほど重要でない。中国がこの地域で経済協力を進めていないということではない。中国の「一帯一路」において、インドネシアはきわめて戦略的位置を占める。これは日本の「インフラ輸出」にとっても同じである。しかし、そこで重要なのは国境を越えた広域のインフラではない。

では、こうした条件下、ASEAN諸国はどう対応しているのか。

ベトナムでは2016年1月の党大会でグエン・フー・チョン書記長の留任、グエン・タン・ズン首相の引退が決定された。しかし、これによってベトナムの国家戦略が大きく変るとは思えない。ベトナムの課題は中国との力の非対称性の管理と経済成長・国民生活の向上にある。力の非対称性の管理にはなんでもよい、「てこ」として使えるものはすべて使うほかない。ベトナムがロシア、インド、日本、そして最近ではアメリカを「てこ」として中国とバランスをとっているのはそのためである。また、TPP参加を決め、産業構造調整コストがいくら高くとも世界経済への統合を推進し、中国への貿易依存度を減らそうとしている。それ以外の選択がないからである。

タイは地政学的、政治経済的にベトナムの対極にある。タイは10年以上、政治的に漂流しているが、それが国の存亡を左右する可能性は小さい。きわめて良好な国際環境に恵まれているからである。タイはアメリカの同盟国である。中国とは国境を共有せず、領土問題ももちろんない。タイは、観光、一次産品輸出等、中国の経済成長から大きな利益を得てきた。しかし、タイ経済は世界経済に深く統合され、中国への経済的依存を懸念する必要はない。バンコク周辺には日本企業の産業集積があり、東南アジアの生産ネットワークの一大ハブとなっている。大メコン圏の広域インフラ整備は日本、中国の経済協力で整備される。AEC成立もプラスである。タイは安心して政治的に漂流できる。

ミャンマーではアウン・サン・スー・チーを党首とするNLD(国民民主連盟)主体の新政権が生まれた。問題は新政権が国軍をパートナーに安定的に国政を運営できるか、それとも民主化、自由化への国民の期待に背中を押され、憲法改正を争点に、国軍を敵に回すかである。これはわからない。しかし、この展望は経済的パフォーマンスに大きく左右される。ミャンマーには、自動車関連の国営工場など、国際競争力のない国有企業、民間企業が多い。こうした企業はAEC設立に伴う貿易自由化で淘汰されていく(梅崎、2014、19−20)。これにどう対応し、同時に、8パーセント超の経済成長を維持していくか、その首尾によって、NLDと国軍のパートナーシップの展望は大きく変る。

インドネシアでは2014年10月、ジョコ・ウィドド政権が成立した。この政権は経済優先を旨とする。インドネシア経済はアメリカの量的緩和政策の終わり、中国経済の減速と一次産品価格の低下によって、大きな転機にある。新政権は、これに対応し、インフラ整備と規制緩和、中小企業育成・産業高度化、人材育成などで、インドネシア経済を成長軌道に戻そうとしている。この構想でAECはほとんど重視されない。また、インフラ整備における中国との協力は、中国の資本、技術、労働者の流入とスキャンダルによって、中長期的に政治的時限爆弾を生み出す可能性がある。

マレーシア政治は漂流している。ブミプトラ政策(マレー人優先政策)のためである。マレーシアの潜在成長率は1980年代末の7・5%から2010年代には5・5%に下がっている。非効率的なマレー系企業が優遇され、外国からの直接投資が伸び悩み、華人、インド系住民の頭脳流出がおこっているからである。その結果、2014年の選挙では、議席数では与党連合の勝利となる一方、得票率では野党連合(50・87パーセント)が与党連合(47・38パーセント)を上回った。つまり、政治は行き詰まり、経済改革の意志は生まれず、出口の見えない状況となっている。TPP参加はこれを「外圧」で打破しようという試みとも言える。

フィリピンは南シナ海の領有権問題で中国と対立し、日米連携を重視する。経済的には海外就労者の送金がマクロ経済安定と消費主導の経済成長をもたらし、ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)が第二の成長エンジンとなりつつある。フィリピンでは近々、大統領選挙が実施され、だれが大統領となるかで、その将来展望はかなり違ってくる。しかし、近年の与党連合形成のパターンを考えると、安全保障、経済政策、いずれについても、おそらく大きな変化はない。政治連合は大統領選挙のたびに形成される。伝統的政治家、地方ボス、NGOなどが大統領候補を中心に連合し、政権をとると、これらさまざまの政治勢力が政府に参加して政府省庁をそれぞれ支配し、自分たちが良しとする政策を実施する。その結果、政府全体としては、政策の整合性、体系性は失われるが、大統領の政治的選択の幅も制限される。

こうして見れば、ASEAN各国の現下の外交・安全保障政策、経済発展戦略において、ASEAN共同体がそれほど大きな位置を占めていないことが明らかだろう。「てこ」としてのASEANが重要でないということではない。また、ASEAN+のプロセスは地域外交の重要舞台である。しかし、東南アジアの地政学的、政治経済的条件が急速に変化する中、ASEAN共同体の一層の発展は、多くのASEANの国々にとって二義的重要性しかもたない。ASEAN共同体構築はその意味で「踊り場」に入っている。

 

引用文献

池部亮「ASEAN経済共同体『統合』の実態とは?」(『ジェトロセンサー』、2015年11月号、4−6ページ)

梅崎創「ミャンマーと地域協力—アジアの新しい結節点へ―」(『アジ研ワールド・トレンド』、2014年3月号、18−21ページ)

 


[i] 同じことは安全保障共同体についても言える。ASEAN+の会合は、ARF(ASEAN地域フォーラム)、ASEAN+国防(大臣会合、東アジア首脳会議(ASEAN+8)に見る通り、特に2010年以降、ベトナム、フィリピンなど、南シナ海の領有権問題で中国と対立する国にとって、それなりに使い勝手の良い「てこ」となった。しかし、2012年、カンボジアが議長国を務めたASEAN外相会議では、中国のカンボジアに対する援助攻勢もあって、ASEANは南シナ海の領有権問題について共同声明を出せなかった。つまり、中国は、ベトナム、フィリピンなどがこの問題でASEANを「てこ」として使えないようにした。ASEAN安全保障共同体の限界はこれで露呈した。

[ii] 『アトランティック』の記事によれば、オバマ大統領は中国の台頭の戦略的意義を次のように述べたという。

In terms of traditional great-state relations, I do believe that the relationship between the United States and China is going to be the most critical.  If we get that right and China continues on a peaceful rise, then we have a partner that is growing in capability and sharing with us the burdens and responsibilities of maintaining an international order.  If China fails, if it is not able to maintain a trajectory that satisfies its population and has to resort to nationalism as an organizing principle; if it feels so overwhelmed that it never takes on the responsibilities of a country its size in maintaining the international order; if it views the world only in terms of regional spheres of influence — then not only do we see the potential for conflict with China, but we will find ourselves having more difficulty dealing with these other challenges that are gong to come. (Goldberg, Jefferey, The Obama Doctrine, The Atlantic,www.theatlantik.com/magazine/archive/2016/04/the-obama-doctrine/471525, accessed on 2016/03/29)