研究計画

本計画研究(C01)は、経済発展の元になるミクロ・レベルでの家計や企業の行動についての実証分析をめざす計画研究(A01、A02)と、大きな世界秩序の中での国家形成や経済発展というマクロな歴史分析をめざす計画研究(B01、B02)を結びつけるメゾ・レベルの研究である。本ポリティカル・エコノミー研究は、世界秩序や地域秩序の大きな特徴や長期的な変化の中で様々な国が経てきた歴史的経験を分析するマクロ歴史分析の知見を取り入れることで、現代の新興国現象の普遍性と特殊性を明らかにできる。他方、新興国の国全体としての経済発展は、政治的な制約や機会の下で家計・企業がいかに行動するかを分析するミクロ実証分析によって補完されたとき、より説得力をもつものになる。本研究は、時間軸でもミクロ分析とマクロ分析の中間を占めることで、総合的な「新興国研究」という新学術領域創成に寄与することができる。

本研究においては、上述した2つの研究課題について、研究参加者が分担して個別の国の事例を詳細に分析する。その際には、既存の文献を渉猟するとともに、政治的開放化が進む中で、経済的・社会的課題がどのような政治過程を経て調整されつつあるのかを、現地調査によって調査する。個々の研究者による事例分析が、ある程度進んだ段階で全員が一同に会し、横に比較し合う研究会を組織する。本研究は単に国別の論文を集めることを目的とするのではなく、深く比較し合うことによって「新興国」としての共通性と多様性を体系的に抽出することを目的としているからである。研究分担者は研究会で得た他国についての知見を参考にして、自分が担当する国の事例が「新興国」発展という全体像の中で、どのような地位を占めるのかを考え、不足する情報が何かを確認した上で、さらなる文献調査・現地調査を進める。研究成果はシンポジウム等によって発信すると同時に、書籍としてまとめる。